1〜4までの解析結果から
本ホームページで公開されたいる2003年6月中旬〜2003年12月上旬までに観測されたデータをもとに、岐阜市周辺に降る酸性雨のpH値低下の原因について、以下の1〜4の項目について解析しました。
1.低気圧の気圧配置
2.降雨時間帯における最多風向別のpH値
3.岐阜市北部と名古屋市の大気中のSO2濃度
4.岐阜市周辺と愛知県の大気中のSO2濃度
以上の解析結果から考察したことを記します。
降雨時間帯における岐阜市の最多風向が南よりの風のときと、日本海側に低気圧があるときに岐阜市周辺に降る酸性雨のpH値が低下する傾向がみられました。
また、大気中のSO2濃度とpH値を調べた結果、SO2濃度が高くなるとpH値が低下するという相関関係がみられました。
そして、降雨時間帯において、岐阜市の最多風向が南よりの風のときpH値が低下する傾向がみられたこと、SO2濃度とpH値に相関関係がみられたことから、岐阜市と岐阜市より南にある名古屋市の2地点の岐阜市周辺の降雨時間帯荷おける大気中のSO2濃度と最多風向についてみていきました。
その結果、この2地点の最多風向がともに北より、南よりの風のとき、大気中のSO2濃度は風下が高い傾向がみられました。
以上の結果から、岐阜市周辺のpH値が低下するのは、大気中のSO2が南よりの風で岐阜市周辺まで運ばれ、降水によって取り込まれてpH値が低くなるという可能性が考えられます。
また、日本海側に低気圧があることで南よりの風が岐阜市に吹きやすくなるということも考えられます。
さらに、岐阜市周辺の降雨時間帯における、岐阜市周辺と愛知県の大気中のSO2濃度を調べた結果、岐阜市南部と愛知県北部のSO2濃度が高い傾向がみられました。
この地域は、岐阜市と名古屋市の間に位置していることから、ここを風が通ることにより風下の大気中のSO2濃度が高くなると考えられます。
岐阜市周辺に降る酸性雨のpH値低下に大きな影響を与えているのは、この地域による影響がお起きと考えられます。
以上の結果から、岐阜市周辺のpH値が低下するのは、大気中のSO2が南よりの風で岐阜市周辺まで運ばれ、降水によって取り込まれてpH値が低くなるという可能性が考えられます。