同じく2種からなる群生だが,Ⅱのほうが多様性が高い。
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生物の多様性は,ある地域に生物種が多くいるほど高い。たとえば10種類の魚がいる川と,100種類の魚がいる川では,100種類の魚がいる川の方が生物多様性が高い。
しかし,多様性は生物種の数だけでは決まらない。たとえば,図のような,生物種の数が同じ2つの地域を比較しよう。個体数は同じだが,Ⅰは99%が生物種Aでり,1%が生物種Bである。Ⅱは,AもBも50%ずつである。Ⅱの方が生物の多様性が高い。
さらに,生物種の多さだけではなく,それらの生物種の間の関わり合いを考えることもできる。多くの生物種がいても,それらが無関係に生きている生態系と,それぞれの生物種がほかの多くの生物種の生存に依存している生態系とでは,生態系としての成り立ちが大きく異なる。
すなわち,生物の多様性を調べるには,生物種だけでなく,それぞれの個体数や生活を調べ,さまざまな生物どうしの関わり合いや棲み分けのしくみを理解しなければならない。
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