地球の歴史は地層や化石として残されている。化石は生物の遺骸や足跡が地層面や岩石として残されたものであるが、生物は長い歴史のなかで進化し、形態が大きく変化してきたため、地層から産出される化石の種類から地層の分類と堆積の順番(層序)が研究されてきた。
すなわち、生物の進化を時間発展の指標として相対的な時代区分がまず行われた。やがて、ウラン、カリウム、ルビディウムなどの放射性元素を用いて、地質時代に数的時間目盛りが与えられ、地球の歴史は45億年、先カンブリア時代と古生代の境界が5億7000万年前というように年代値が与えられていった。こうした研究を総合して地質時代の時間スケールをとりまとめた本として、1989年にケンブリッジ大学出版会から発行されたB. ハーランドのThe Geologic Time Scaleが広く参照されてきた。その改訂版が2004年に新しい執筆者たちによって編集された(図1)[1]。
この間、地質時代境界の認定、ストロンチウム同位体比や炭素同位体比を用いた地層の対比手法の導入、ミランコビッチサイクルのような宇宙のリズムを時間目盛りに使う手法、ジルコン粒子を用いた精密な放射性同位体を用いた年代測定データが多数発表されるなど、大きな研究の進展があった。ここでは、最新の地球史年表を示すと同時に、それぞれの地質時代の境界の年代が研究の進展とともにどのように移り変わってきたのかをグラフにしてみた(図2,3)。
|