理科教材データベース
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
シチダンカ
和名:シチダンカ(七段花)
学名:
Hydrangea serrata f. prolifera
分類:被子植物>落葉低木>アジサイ科
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ヤマアジサイの一種
シーボルトの「日本植物記」にも紹介があり、江戸時代に栽培されていたようですが、その後は幻の花となっていたそうです。130年を経て神戸六甲山中で見つかり、現在神戸市立森林公園で栽培されているそうです。
シーボルトが「日本植物記」を記したのはシーボルト事件後、永久国外追放オランダ帰国後らしいです。そしてシチダンカの花を愛妻の名から命名したらしいですが(ハイドランジア オタクサ)、これはタイム差で他の人に命名されており採用されなかったそうです。
その後、日本に帰る努力を続け江戸幕府鎖国政策破棄、1858年日蘭通商条約締結後、再来日を果たし29年ぶりにお滝さん(妻)と子に再会できたそうです。両人再婚後ではありますが…
ちなみに子のイネちゃんは、日本人初の女医だそうです。
古典にも多く登場しているようです。
言問はぬ木すら味狭藍 諸弟(もろと)らが 練の村戸(むらと)にあざむかえけり (万葉集;大伴家持)
紫陽花の八重咲く如くやつ代にを いませわが背子見つつ思はむ(しのはむ)(万葉集;橘諸兄)
あぢさゐの 花のよひらに もる月を 影もさながら 折る身ともがな (散木奇歌集;俊頼)
夏もなほ 心はつきぬ あぢさゐの よひらの露に 月もすみけり (千五百番歌合;藤原俊成)
あぢさゐの 下葉にすだく蛍をば 四ひらの数の添ふかとぞ見る (藤原定家)