理科教材データベース
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
かに星雲 M1
Crab nebula M1





おうし座にある超新星残骸。地球からの距離は約7000光年。
西暦1054年に超新星爆発を起こし、現在も膨張を続けている。
この超新星爆発は、中国の「宋史」や藤原定家の「名月記」に記録が残されている。
赤い色は水素の分布を示し、爆発で引きちぎられた星の残骸である。
中心部には高速で回転する中性子星があり、その強い磁場のまわりを電子が光速で運動し、
青い色の光で輝いて見える。
かに星雲の名前は、1844年にこの星雲を観測したアイルランドの天文学者のスケッチが
かにに似ていたことに由来するが、ハッブル宇宙望遠鏡の捉えたかに星雲は、細部にわたって
構造を明らかにしており、超新星爆発の迫力をリアルに表現しているようにみえる。

photo = Hubble Space Telecope (NASA).