理科教材データベース
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
プラトー





 雨の海と氷の海を隔てるアルプス山脈。アルプス山脈の北の端にくっきり見える楕 円形の形のよいクレーターがプラトーだ。プラトーの内部は周囲より黒っぽい色をし ていることも特徴的で、容易に見つけることができる。ヘベリウスという天文学者は 「黒い湖(The Great Black Lake)」と名づけたほどだ。  プラトーは直径100kmの円形のクレーターである。月面の端に位置しているので 楕円にみえる。これは月が丸い天体であることを物語っている。  雨の海や氷の海は天体衝突でできた巨大な隕石孔(インパクトクレーター)に内部 から玄武岩質の溶岩が流れ出してできたものである。アルプス山脈は地形的な高まり になっていて溶岩で覆われることはなく、そのため起伏に富んだ地形を見せている。 雨の海に見られる筋状の模様は溶岩流地形である。また、雨の海の中に孤立するピコ 山やピトス山はかろうじて埋没を免れた単峰である。周囲との標高差は2400メートル もあるという。  プラトーはアルプス山脈に天体が衝突してできたもので、若い時代にできた隕石孔 である。若いといっても30億年前ごろの出来事であるが・・・  夜明けのプラトーを天体望遠鏡で眺めると、クレーターの縁がクレーター内部にく っきりとした影を落としている様子を見ることができる。入り組んだ明暗境界線から クレーターの縁が起伏に富んでいることを読みとることができる。

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