危難の海
2003年01月21日更新
月の名所案内です。
月齢1から3にかけての細い月に危難の海が浮かび上がる。危難の海は、東西570k
m、南北450kmの楕円形の巨大衝突クレーターであり、39億年前ごろにマグマが流
れ出して低地を埋めつくした。南西の縁にあるヤーキスやリックといったクレーター
は、高い峰だけがかろうじて埋没をまぬがれており、大量のマグマがあふれ出たこと
を物語っている。
近くにあるピカールという直径19kmのクレーターは、溶岩が流れたあとにできた
若いクレーターであり、くっきりとした地形で特徴づけられる。これは危難の海の中
にある若いクレーターの中では最も大きく見つけやすい。
危難の海の東の縁には、アガルム岬がせり出している。月齢1や月齢2の月を観察
するときは、アガルム岬に注目してみよう。
月齢3の月では、危難の海のすぐ北にある直径100kmのクレオメデスというクレ
ーターがくっきりとした姿を現すようになる。月齢4になると危難の海の西側に明る
い光条を放つプロクルスというクレーターが目立つようになる。