理科教材データベース
岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)
土星の衛星イアペタスの新しい顔


カッシーニ/ホイヘンス計画の成果

図1(1981) 図2(2005.01.07) 図3(2005.01.07) 図4(2005.01.01)

図4(2005.01.07) 図5(2007.09)



 2004年に土星に到達した土星探査機カッシーニは,次々と土星,衛星,リングなどの探査を行っている.
イアペタスは,土星の衛星の中ではフェーべ(Phoebe)についで土星から遠い衛星で,その軌道半径は356万
kmで,公転周期は79日である.半径は720kmで衛星としは大きい方である.1981年のボイジャーによる探査では,
進行方向を向いた面が黒っぽい色をしていることで注目され,その成因は大きな謎とされた(図1).この黒っ
ぽい地域はカッシーニ地域(Cassini Regio)と名づけられた.
衛星内部から黒っぽい物質が流れ出したという説,衛星フェーべから放出された物質が降り積もったという説,
太陽系の別の場所からやってきた彗星か小惑星あるいはダスト(塵)が衝突し,降り積もったといった説が提唱された.
 2004年12月31日にイアペタスに接近したカッシーニは.この衛星の驚くべき姿を明らかにした.黒っぽい色をした
にはおびただしい数のクレーターがあり,火山活動を示唆する地形は見当たらなかった(図2,3).これらの写真
を見ると,巨大な円形構造がいくつも形成されていることがわかる.
また,図1からは,赤道に沿って,線状の高まり(リッジ)があることもわかる.イアペタスの表面の様子に関するこれまで,
の探査結果については,Porco et al. (2005) Science, 1237で概要が述べられている.
画像提供=NASA/JPL/Space Science Institute.