土星の衛星フェーべ
カッシーニ/ホイヘンス計画の成果
2004年に土星に到達した土星探査機カッシーニは,次々と土星,衛星,リングなどの探査を行っている.
フェーべは土星からもっとも遠い1270万kmという軌道半径をもち,550年かけて土星の周りを公転している.軌道
は逆行しており,偶然土星の近くを通過した小天体が土星重力圏内に捕獲されたものと考えられている.
フェーべについては,カッシーニの探査で表面の様子が明らかにされた.平均半径は106.6km,比重は1.630と
見積もられた(Porco et al., 2005).図1,2のようにジャガイモのような形をしている.図1の上部の大きな
クレーターはジェーソン(Jason),その隣の白い筋状模様の内壁で特徴付けられるクレーターがエルジナス(Erginus).
クレーターの内壁に露出した白っぽい物質は,氷でできていると考えられている.
フェーべにに関するこれまでの探査結果については,Porco et al. (2005) Science, 1237で概要が述べられている.
画像提供=NASA/JPL/Space Science Institute. |