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マグマが急冷されてガラスを作る場合を除いて,火成岩はマグマからいろいろな段階で晶出してくる鉱物が寄り集まってできています。鉱物の種類がマグマの組成に対応していることは当然ですが,おもに晶出してくる鉱物(主成分鉱物)の種類はきわめて限られています。
それらは珪酸(SiO2)を相対的に多く含み,無色〜白色系の色を示す無色鉱物と,Fe・Mgを多く含み,黒色系の色を示す有色鉱物からなります。具体的な鉱物名としては,前者に石英・正長石・斜長石の3鉱物が,後者に黒雲母・角閃石・輝石・カンラン石の4鉱物がそれぞれあげられます。これら以外の鉱物(副成分鉱物)はきわめて少量しか含まれていません。 |
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火成岩中に含まれる主成分鉱物は,マグマの組成やその冷え方を示してくれる指標になりますから,それに基づいて火成岩を区分しておけば,火成岩のすがたを最も的確に表すことができます。マグマの組成は主成分鉱物の種類によって,マグマの冷え方は主成分鉱物の粒度や組織によってそれぞれ示されます。それぞれを横軸と縦軸にとり,それぞれの軸が一定の基準で区分されれば,分類表にあたるものができることになります。 |
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主成分鉱物のうち,有色鉱物は融点の高いものから順に不連続に晶出し,無色鉱物は温度の低下に応じて組成を連続的に変えながら晶出していきます。そのため,7つの主成分鉱物すべてが同時に火成岩中に含まれることはなく,共存する鉱物の種類と組合せは限られてきます。その組合せを表わす指標として色指数が用いられます。これは,岩石全体のなかで有色鉱物が占める割合を体積比で表したもので,20,40,70を境にして左表のような区分をしています。
色指数を岩石の色調に置き換えて,わかりやすく表現する場合がありますが,これには注意が必要です。一定の粒径をもつ無色鉱物と有色鉱物に岩石全体が埋め尽くされていないと,『色指数が低い⇒有色鉱物が少ない⇒岩石が白色系の色調』とはなりません。 |
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色指数はマグマの組成を目で見える鉱物によって表現しようとしていますが,すべての火成岩が鉱物で埋め尽くされているわけではありません。例えば,すべてガラスになってしまった場合もあります。マグマの組成を鉱物の状態ではなく,化学組成で表わすと,その弱点が克服できます。有色鉱物を多く含む色指数の高い岩石はFe・Mgを多く含むことになり,その分だけSiO2が少なく含まれることになります。色指数と珪酸の含有量との間にはおおよそ左表のような対応関係があります。 |
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マグマは,その容量(熱容量)が大きいほど,あるいは周囲との温度差が小さいほどゆっくりと冷えます。マグマ溜りが地下にとどまっていると,時間をかけてゆっくりと冷える場合が多く,地表に出てしまうと,温度差の大きい空気と触れることで急冷されることになります。この冷却速度の差異は,冷えていく過程で形成されていく鉱物の成長具合に影響を与え,その結果がそのまま火成岩の岩石組織を作り出すことになります。 |
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ゆっくり冷えれば,鉱物の成長する時間が確保され,同じような大きさに成長した(等粒状の)鉱物に埋め尽くされた(完晶質の)岩石が形成されることになります。この対極にあたる岩石は,マグマが急速に冷えてしまい,まったく鉱物を成長させることができずにガラスになります。鉱物がマグマ内にある程度晶出している段階で急に冷やされるような場合には,途中段階にあたる斑状微晶質の組織を形成します。これによって,地下での冷却を意味する「深成岩」と地表での冷却を意味する「火山岩」に大別されますが,火山岩に近いが地下に存在するような中間的な冷却を表現するために「半深成岩」という区分を中間に設けて3段階にしています。
ただし,これらの区分は,すべて液体のマグマが直接固結した場合に限られます。火山岩には,火山灰のように固体の破片が堆積してできた岩石もありますから,このようにはなりません。 |
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横軸と縦軸それぞれの区分がなされると,該当する枠に岩石名が入ることになります。個々の岩石名は,マグマの組成と冷え方をおおよそ示す枠にあてはめた名称です。区分された線は自然界に存在するわけではなく,便宜的に入れられていることを忘れてはなりません。境界にあたる岩石もかなり多く実在しています。
左表はよく用いられている火成岩の分類表ですが,前述のように,横軸にも縦軸にもかなり問題点があります。とりわけ火山岩においては注意が必要になりますが,それを承知の上で使う分には基本的に有効な分類表だと思います。馴染みのある「玄武岩」・「安山岩」・「流紋岩」という名称で特定できる火山岩は存在しないことになりますが,ここでは詳細を略します。 |
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