ここでのアニメーションは,表示時間の都合で, 「2.氷の融解 」 や 「3.水の気化(沸騰)」 の10倍の速さで再生しています(アニメーションのコマとコマとの間隔は 0.2 ps). といっても,現実の時間の流れと比べると,超スローモーションです. (AVI形式のアニメーションの場合,現実の時間の流れの1700億分の1の速さで再生しています.)
4.氷と水が共存した系での融解・固化
温度を高めに設定すると,少しずつ融解していきます.
温度を低めに設定すると,少しずつ固化していきます.
少しずつ融解していく様子(20℃)
192個のH2O分子(= 384個のH原子 + 192個のO原子)からなる系を 20℃(=293 K)に保持したところ,内部エネルギーと密度の上昇が起きました. 少しずつ液体の水部分が拡大していき,やがて全体が融解したのです.
氷と水が共存した状態
水分子(H2O)が六角形状に
規則正しく並んでいる部分(左側)が固体の氷,不規則に並んでいる部分(右側)が液体の水です.
融解が進みつつあるところ
上の図から約60 ps 経過すると,液体の部分が広がってきていることがわかります.
全体が融解したところ
さらに約40 ps 経過すると,全体が融解して液体の水になりました.
融解が少しずつ進んでいく様子
それでは,融解が少しずつ進んでいく様子を連続的に見てみましょう.
融解が進んでいく様子のアニメーション(17秒間)を見る (AVI形式,10 MB)
なお,アニメーションをさまざまな方向から眺めたい方は,gfa形式のファイル solliq-293K.gfa (2.1 MB)をご利用ください.
(使用法はこちらをご覧ください.)
少しずつ固化していく様子(-5℃)
192個のH2O分子(= 384個のH原子 + 192個のO原子)からなる系を -5℃(=268 K)に保持したところ,少しずつ内部エネルギーと密度が減少していきました. 固体の氷部分が拡大していき,やがて全体が固化したのです.
氷と水が共存した状態
水分子(H2O)が六角形状に
規則正しく並んでいる部分(左側)が固体の氷,不規則に並んでいる部分(右側)が液体の水です.
固化が進みつつあるところ
上の図から約230 ps 経過すると,固体の部分が広がってきていることがわかります.
全体が固化したところ
さらに約230 ps 経過すると,全体が固化して固体(氷)になりました.
固化が少しずつ進んでいく様子
それでは,次に固化が少しずつ進んでいく様子を連続的に見てみましょう.
固化が進んでいく様子のアニメーション(1分17秒間)を見る (AVI形式,44 MB)
なお,アニメーションをさまざまな方向から眺めたい方は,gfa形式のファイル solliq-268K.gfa (9.4 MB)をご利用ください.
(使用法はこちらをご覧ください.)
固体の氷だけから出発して融解を起こす計算(シミュレーション)は,温度を高めに保てば容易にできます( 「2.氷の融解」). ところが,液体の水が自発的に固化(結晶化)していく計算は,なかなかできません. しかし,氷(固体)と水(液体)の共存状態から出発すると,固化の計算ができるの です.