デボン紀中期の分化

トリメロフィトン類はデボン紀後期に絶滅した。しかしその直前のデボン紀中期に,トリメロフィトン類から前裸子植物が生まれた。前裸子植物は,シダ類・トクサ類・種子植物の祖先である。

ヒカゲノカズラ類(Lycopsida)

ヒカゲノカズラ[学名]のような小葉をもつが,幹は二次成長して巨大になった。石炭紀の沼沢地に大森林を形成し,埋没して石炭になった。

ゾステロフィルム類(Zosterophyllopsida)


ゾステロフィルム (Zosterophyllum)
(西田 治文. 植物のたどってきた道. 東京, 日本放送出版協会, 1998. p.60)
デボン紀の半水生植物である。水面より上には表皮にクチクラが発達し,気孔もある。リニア類とは異なり,胞子のうが軸の横に螺旋状に付いている。胞子のうの開裂に特徴がある。現生植物ではヒカゲノカズラ類が同様の開裂をする。

レピドデンドロン (リンボク)


レピドデンドロン (リンボク) (Lepidodendron)
(西田 治文. 植物のたどってきた道. 東京, 日本放送出版協会, 1998. p.120)
高さ40 mに達する巨大な幹の頂部で枝が二股分岐し,先端にヒカゲノカズラのような葉を備えている。幹の表面にうろこ模様がある。

カラミテス (ロボク)


カラミテス (ロボク) (Calamites)
の胞子
(西田 治文. 植物のたどってきた道. 東京, 日本放送出版協会, 1998. p.132)
高さ20 mに達する,トクサと類縁関係の植物である。石炭紀の沼沢地で繁栄した。
直径数10 cmの幹にも現在のツクシと同じように節があり,中空である。維管束は真正中心柱をもつ。
胞子には,トクサに似た弾糸 (足) がある。

© 2002 Gifu University, Shin‐Ichi Kawakami, Nao Egawa.