太陽の年齢

19世紀,太陽から莫大なエネルギーが放出されていることはすでに理解されていた。しかし,その熱源は,太陽自身の重力収縮だと考えられていた。
太陽は巨大な質量をもっており,その重力エネルギーも膨大だ。太陽の質量分布を仮定すると,重力エネルギーが計算できる。太陽が収縮すると,質量は太陽の中心に集中し,収縮した分だけ重力エネルギーが熱エネルギーへと変換される。その大きさから太陽の年齢が見積もられた。結果は,ケルヴィンの年代に近かった。
しかし,この考えによると,かつては太陽はもっと明るく輝いていた。過去には,地球は高温であって,生命が生存できなかった。この考えは,ダーウインの進化論とも対立した。

© 2002 Gifu University, Shin‐Ichi Kawakami, Nao Egawa.