岐阜の地学? 資源・温泉? 窯業原料? 神岡鉱山

資源・温泉[4]?亜炭
~燃料にならない燃料資源~

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【豆知識】

石油や石炭は,過去の生物の遺骸もしくはそれが変化したものであることから化石燃料と呼ばれ,これまでにも重要な燃料資源として利用されてきた.とりわけ,石油は現在の人類にとって欠くべからざる資源であると同時に,限りある資源であるために人類の将来を左右しかねない物質になっている.石油が化石燃料の主体を占める以前は石炭がその主体を占めていた.現在では石炭をみる機会がほとんどなくなってしまったため,石炭に年輪の跡があることを確かめられなくなってしまったが,石炭は間違いなく樹木が炭化したものである.比較的古い地層の中に植物化石が含まれる場合には,それらが炭化して石炭になっていることがよくある.ただし,燃料として使えるようになるためには,それなりの量と発熱量をもつものでなければならない.石炭は発熱量の高い方から無煙炭,瀝青炭,亜瀝青炭,褐炭に分けられている.
岐阜県では,石油はもちろんのこと,燃料として使えるような石炭も得られない.ただ,発熱量の最も低い褐炭は比較的多く得られる.これを行政上の用語として亜炭と呼んでおり,東濃地方に分布する瑞浪層群の最下部層である土岐夾炭累層に比較的多量に含まれる.この地層は,その名のとおり褐炭層が泥岩層,砂岩層,凝灰岩層などと交互に積み重なっており,かなり広範囲に分布する.地層の堆積年代が新しいために十分に炭化できないまま現在に至っているため,この褐炭の発熱量は低く,煙やススが多い.そのため燃料としては大変使いにくく,燃料不足となった太平洋戦争中に盛んに採掘されたが,現在では燃料としてではなく土地改良材などに利用されている.

【関連項目】 資源・温泉[2] ウラン鉱床

【キーワード】 亜炭,化石燃料,褐炭,石炭,石油,土岐夾炭累層,土地改良材,燃料資源,発熱量

【関連文献】

【余談】
現在,石炭はどのようにすれば手に入るのであろうか.一時姿を消した木炭は,それなりの需要があって,コンビニでは無理であろうが通販などでも手に入るようになった.石炭にも木炭のように燃料以外の需要があればよいのであろうが,あまり期待できない.やはり化石標本として手にいれることぐらいしか手段はなくなったのであろうか.

『学習テーマ』
中学1年「大地の変化 (地層と大地の歴史) ―化石 (新生代)
地下資源


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