大地の変化と私たちの生活

高富 / 深瀬の湖
濃尾地震のときに川があふれてできた湖
(山県市)

1. 大地の変化と災害

濃尾地震(のうびじしん)による災害は,はげしくゆれたことで起ったものだけではありません。大地が変化したことで起こった災害もありました。左の写真は少しわかりづらいですが,地面が上下にずれて川の下流側がもちあがったために,川の水が流れなくなって,まわりにあふれてしまったときのようすです。このように地震とともに起こる大地の変化では,水害を起こしてしまうこともあります。

能郷白山~金坂峠
根尾谷断層が通っている谷のようす
(根尾村,本巣町)

2. 大地の変化と生活

私たちが生活している大地は,長い年月をかけていろいろな変化が積み重ねられて作られてきたものです。地震とともに起こる大地の変化もその一つにあたります。
左の写真は,根尾谷断層(ねおだにだんそう)が矢印の間を結ぶ線にそって,はるか昔から大地をずらしてきたことでできた大きな谷のようすです。この谷を利用して道を付けたり,鉄道をしいたり,住む場所や田畑を作ったりしていますから,地震とともに起こる大地の変化は,災害をもたらすだけでなく,私たちの生活に役立つ場所を作ってくれていることになります。

3. 大地のことを勉強しよう

大地の変化は火山活動でも起こります。そのほかにもいろいろな原因で大地の変化は起こります。まだむずかしいこともたくさんありますから,すぐには全部のことは勉強できません。しかし,私たちはこれから一生の間を大地の上で生きていくのですから,大地のことをよく知って,大地と仲良くしていかなければなりません。ちょうど友だちのことをよく知って,仲良くしていくのと同じように,これからも大地のことを勉強していくことが大切です。
どうしてだろう? (その1) の答
濃尾地震とともに,地表でもまっすぐに立ったかべができたはずです。しかし,まっすぐに立ったかべは不安定ですから自然にくずされていきます。雨がふれば,さらにくずされていきますから,まっすぐに立ったかべは,それほど時間がたたないうちに,ななめになったかべになっていきます。写真にあるかべは,まっすぐに立ったかべがくずされたものになります。
どうしてだろう? (その2) の答
「地面がずれる」と言われると,上下にずれても,左右にずれてもナイフで切ったようなきれいな面でずれると考えてしまいます。しかし,実際には,ずれる面に(はば)があります。少しむずかしいかもしれませんが,やわらかいものでできた板がまっすぐに立っていると考えてみてください。板の一方の面が左に,もう一方の面が右に引っぱられると,両面にはさまれた板の中はゆがんでいきます。地面のずれは,ある幅の中で地面がゆがんでいったことになりますから,その幅に植えられていたお茶の木はその中でずらされて,ななめに並ぶようになったわけです。