濃尾地震(のうびじしん)より前から作られてきた大地の変化

金原 / 遠望
左右のずれ方が大きくなってできた谷のようす
(本巣町)

金原変遷図
長い時間をかけて少しずつずれていくことで変えられた谷の形

根尾谷断層(ねおだにだんそう)は,濃尾地震の時だけでなく,それよりもはるか昔から何回にもわたってくりかえして大地のずれを作ってきました。それは大地の大きな変化となってあらわれています。
まっすぐな谷が,そのとちゅうで左右にずれていくと,お茶の木の例と同じように,谷は折れまがって流れるようになります。1回のずれ方は少しでも,それが長い時間をかけて何回もくりかえされると,ずれる長さは大きくなります。左の写真はそうした場所を上空からとったもので,でき方を下の図で左から右へ順にあらわします。
上の写真にある矢印の間で左右にずれていき,それが大きくなって2 kmにもなったところで,写真左側の(おく)から流れてきた上流部がそのまま本流へ流れてしまいました。中央に見える広い谷には,上流から水が流れてきませんので,川がありません。上の図で,断層によって谷がずらされていくようすをみてください。