人間活動は化石燃料の消費によって,数百年間に1000–2000Gt (ギガトン) にのCO2 (二酸化炭素) を放出してきた。
地球史を詳しく調べると,人類が直面する温暖化と同様の温暖化事件があった。その最近の例が,5500万年前 (古第三紀) の突発的温暖化事件(Lower Paleocene Thermal Maximum)である。
このときは,1500 Gtのメタンが溶けだして短時間に大気へ放出され,地表は5–7℃も温暖化した。しかもこの影響は,バイオポンプがCO2濃度を元に戻すまで,約3万年間続いた (Norris, and Rohl, 1999; Bains et al., 2000)。人間活動によって放出されるCO2が,これと同様の気候変動を引き起こすとすれば,それによる温暖化は今後数万年にもおよび,恐竜を絶滅させたK/T境界事件に匹敵する生物の大量絶滅事件をもたらすかもしれない。
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