先カンブリア時代の大氷河時代の直後に,多細胞動物が出現している。
(はーランドとラドウィックの1964年の研究にもとづく)
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原生代の終わりには,大氷河時代があった。カンブリア紀は温暖で,多様な動物がそろって出現した時代だと考えられていた。
化石記録から生物進化を研究していたシンプソン(G. G. Simpson)は,カンブリア紀の初めに急激に生物の多様性が増大した現象を “explosion (爆発)”と呼び,新しい生息環境の拡大がその原因だとした。
もし,原生代の終わりが厳しい氷河時代で,カンブリア紀になって温暖化すると,海水準が上昇する。すると広い浅海が生まれ,多様な動物が生息する新しい環境が出現する。そこで,1963年にヨーロッパで会議があり,原生代の氷河時代問題が多方面から議論された。この会議で,ハーランドとルドウィックは,原生代後期の氷河時代と多細胞動物の出現の関連性を議論した。
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