ペルム紀末,つまりP/T境界の生物大量絶滅事件は,地球の歴史の中で最大である。この絶滅事件で,海棲生物種の95%が絶滅した。絶滅した生物種は,フズリナ,腕足動物,軟体動物,環形動物,節足動物 など多岐にわたる。
シンデヴォルフ (1954, 1962) は,いくつかの地域で,ペルム紀から三畳紀へ地層は連続しているのに,化石の種類はある層準で急変することから,大量絶滅はまさに激変だったと主張した。
これに対し,ニューウェル (1956, 1962) は,一見連続的にみえる地層でも不整合が存在することが多いという経験則から,シデウォルフに反論した。
両者の論争に決着がつかなかったのは,この境界を挟んで連続的に地層が露出している場所がほとんどなかったからである。
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