Web教材 NaClの状態変化・水への溶解  Ver. 1.12 (2009/9/7)

1.はじめに ― 物質の三態 ―

世の中にある物質は,小さな粒子注1が集まることによってできています.この粒子の並び具合によって,物質は固体液体気体の3つの状態をとることができます.

  1. 固体では,粒子同士が互いに強く結びつき,規則正しく並んでいます.これらの粒子はじっとしているのではなく,熱振動をしています.
  2. 液体では,粒子同士は互いに引き合いながらも,いろんな方向にある程度動き回ることができます.
  3. 気体では,粒子はばらばらになって,高速で飛び回っています.

固体の温度が上がると,熱振動が激しくなり,ついには粒子がある程度自由に動き回ることができるようになり,液体になります. これが融解です.

液体の温度がさらに上がるにつれ,粒子の運動は全体にますます激しくなっていきます. 液体の表面にあってしかも運動の激しい粒子は,ついには粒子同士の引き合う力をふりきって,空間に飛び出して気体となります. これが蒸発です.
さらに温度が上がると,液体内部でも粒子同士の引き合う力をふりきって気体(泡)が発生するようになります. これが沸騰です.
蒸発と沸騰とをあわせて気化ということもあります.

この教材では,

  • NaClの状態変化(融解・気化など)
  • NaCl(固体)の水(液体)への溶解

原子・分子レベルのアニメーション注2で表示します.

注1: この 「小さな粒子」 は,分子であったり,原子であったり,イオンであったりします.
 たとえば,

  • 水(固体の氷,液体の水,気体の水蒸気)は 水分子(H2O)が集まってできています.[中1くらいで学習]
  • 金属の鉄は 鉄原子(Fe)が集まってできています.[中2くらいで学習]
  • 塩化ナトリウム(食塩)はナトリウムイオン(Na+)と塩化物イオン(Cl-)とが集まってできています.[中3くらいで学習]

注2: 分子動力学法とよばれるコンピュータシミュレーションの結果をアニメーションにしています.

アニメーションファイルのダウンロードには時間のかかる場合があります.
個人的で非営利目的の使用,また学校授業での使用のためでしたら,コンテンツ・図・アニメーションのファイルをご自身のコンピュータ上に保存した上でご利用いただいても結構です.

AVI形式のアニメーション再生のためのTips

  • Media Player 9 以降をお使いの方は,「連続再生」にチェックを入れておくとアニメーションを何度も繰り返して再生することができます.
  • IrfanView をお使いになると,アニメーション再生の速さをコントロールすることが可能です.

Copyright by

高知大学教育学部 赤松研究室 赤松 直,田 偉,南場 功充
岐阜大学教育学部 川上研究室 川上 紳一
東京工業大学地球惑星科学専攻 河村研究室 河村 雄行

協力者

室蘭工業大学工学部材料物性工学科 澤口 直哉