4.固体と液体のNaClが共存した系
温度を高めに設定すると,少しずつ融解していきます.
温度を低めに設定すると,少しずつ固化していきます.
少しずつ融解していく様子(805℃)
216個のNa粒子(ナトリウムイオンNa+) + 216個のCl粒子(塩化物イオンCl-)からなるNaClを
805℃(=1078 K)に保持したところ,内部エネルギー E は上昇し,密度 D は低下していきました.
少しずつ液体の部分が拡大していき,やがて全体が融解したのです.
固体と液体が共存した状態
Na粒子(黄色)とCl粒子(緑色)とが立方体状に
規則正しく並んでいる部分(左側)が固体のNaCl,不規則に並んでいる部分(右側)が液体のNaClです.
融解が進みつつあるところ
上の図から約 5 ps 経過すると,液体の部分が広がってきていることがわかります.
全体が融解したところ
さらに約 5 ps 経過すると,全体が融解して液体のNaClになりました.
融解が少しずつ進んでいく様子
それでは,融解が少しずつ進んでいく様子を連続的に見てみましょう.
融解が進んでいく様子のアニメーション(8.3秒間)を見る (AVI形式,4.1 MB)
なお,アニメーションをさまざまな方向から眺めたい方は,gfa形式のファイル NaCl_s-l_1078.gfa (806 KB)をご利用ください.
(使用法はこちらをご覧ください.)
少しずつ固化していく様子(750℃)
216個のNa粒子(ナトリウムイオンNa+) + 216個のCl粒子(塩化物イオンCl-)からなるNaClを
750℃(=1023 K)に保持したところ,内部エネルギー E は低下し,密度 D は上昇していきました.
少しずつ固体の部分が拡大していき,やがて全体が固化したのです.
固体と液体が共存した状態
Na粒子(黄色)とCl粒子(緑色)とが立方体状に
規則正しく並んでいる部分(左側)が固体のNaCl,不規則に並んでいる部分(右側)が液体のNaClです.
固化が進みつつあるところ
上の図から約 20 ps 経過すると,固体の部分が広がってきていることがわかります.
全体が固化したところ
さらに約 10 ps 経過すると,全体が固化して固体のNaClになりました.
固化が少しずつ進んでいく様子
それでは,次に固化が少しずつ進んでいく様子を連続的に見てみましょう.
固化が進んでいく様子のアニメーション(20秒間)を見る (AVI形式,9.2 MB)
なお,アニメーションをさまざまな方向から眺めたい方は,gfa形式のファイル NaCl_l-s_1023.gfa (1.9 MB)をご利用ください.
(使用法はこちらをご覧ください.)
固体だけから出発して融解を起こす計算(シミュレーション)は,温度を高めに保てば容易にできます(
「2.NaClの融解」).
ところが,液体が自発的に固化(結晶化)していく計算は,なかなかできません.
しかし,固体と液体の共存状態から出発すると,固化の計算ができるの
です.