梅原断層の大部分が通過する平地部では,南へむかって流れるおもな河川と直交する西北西~東南東方向に長く延びる低地に沿って断層が走っており,この低地の形成に断層活動が関与しているとみられます.しかし,そこでは明瞭な断層地形がほとんど認められず,地形として断層を把握することがむずかしい状況にあります.こうした活断層でも,トレンチ調査やボーリング掘削によりその実態を把握する試みがなされていますので,ここではそれらをおもに紹介することにします.
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【文献】
野村倉一(1991) 断層写真集. 根尾谷断層の今昔—濃尾地震から100年. 教育出版文化協会,45P. |
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【文献】
井上大栄・宮腰勝義・楠 健一郎・木方建造・大山隆弘・曽根賢治・鈴木浩一・上田圭一・藤光康宏・本島 睦・本荘静光・佐竹義典(1991)第四紀層下に分布する断層の調査法・活動性評価法. 電力中央研究所報告,U22,150P. |
【文献】
粟田泰夫・苅谷愛彦・奥村晃史(1999) 古地震調査にもとづく1891年濃尾地震断層系のセグメント区分. no.EQ/99/3,115–130.
浜出 智・大平明夫・岡田篤正・中村俊夫・松田時彦(1992) ボーリング調査で明らかになった濃尾活断層系梅原断層の新期断層運動. 名古屋大学加速器質量分析業績報告書,Ⅲ,49–54.
京都大学防災研究所(1983) 濃尾地震断層系のトレンチ調査. 地震予知連絡会会報,29,360–367.
京都大学防災研究所 (岡田篤正記) (1986) 1891年濃尾活断層系梅原断層 (高田地区) トレンチ調査. 活断層研究,3,28–32.
森山昭雄(1997) 岐阜県高富低地の地下構造と古環境変遷. 日本地理学会発表要旨集,51,84–85.
森山昭雄・鈴木毅彦・加古久訓(1998) 岐阜県高富低地の古環境変動と木曽川の大規模流路変遷. 日本第四紀学会講演要旨集,28,88–89. |
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【文献】
村松郁栄・松田時彦・岡田篤正(2002) 濃尾地震と根尾谷断層帯. 古今書院,340P. |
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坂祝町の郷部山北東部の断層地形を利用して開発された公共利用施設
(2002年10月撮影) |