名前の歴史
かつてドイツでは、楕円体状や円筒状をした、縞状石灰質の塊をMumienと呼んでいました。カタツムリの殻が核になったものは、SchneckelisteinあるいはSchnegglisandと呼ばれていました。このような構造物は17世紀にはPriapolithesと名づけられたものですが、20世紀にはnodules、balls、Knollen、Kugeln、biscuits、bouletsなどと呼ばれました。こうした中でカルコフスキーが、縞模様をもつ堆積岩を、ラテン語のstroma(覆う)から、ストロマトライトと名づけました。1908年のことです。
ストロマトライトの命名から100年近くがたちました。先カンブリア時代のストロマトライトだけでなく、現在の地球でも潮間帯や温泉に地質時代のものと類似の構造が発見され、ストロマトライトに関する理解は大きく進展しました。しかし、先カンブリア時代のストロマトライトの成因や解釈を巡ってまだまだ多くの未解決の課題が残されています。