近年になって,先カンブリア時代の地質学的研究や大陸地殻の構造調査が盛んになり,地質学的証拠にもとづいて,プレート・テクトニクスの始まりが議論できるようになってきた。特に,1990年代にカナダ楯状地で大規模な地震探査実験がなされ,地殻や上部マントルの構造が詳しく調べられた。
その結果,先カンブリア時代の造山帯に沿って,プレートの沈み込みによるスラブ状の構造が明らかになった。この発見により,当時すでに,現在と同じプレート運動があったことがわかった。
このカナダの造山帯は27億年前のものである。従って,少なくとも27億年前からプレート・テクトニクスは作用していた。
それ以前からプレート運動が作用していたという主張もあるが,根拠は乏しい。
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