プルーム・テクトニクスの概念図
(原図: 丸山茂徳, from 川上紳一. 縞々学 リズムから地球史に迫る. 東京, 東京大学出版会, 1995. p.43)
|
〝スーパープルーム〟 という言葉は,ラーソン [解説]が考え出した。ラーソンによると,西太平洋に分布する多数の海山は,大規模なプルームの上昇活動が作った。すなわち,深部マントルから上昇したスーパープルーム (大規模なプルーム) が,上部マントルで多数のプルーム群に枝分かれし,海洋底に多くの海山群を生み出した。
白亜紀には,海洋底拡大が速くなるなど火山活動が活発になり,大気中の二酸化炭素濃度も高まって気候が温暖化した。これらもスーパープルームが原因だとされた。マントルにおける大規模なプルーム発生は,地球内部の変動だけでなく,気候や地球表層環境にも大きな影響を与える。
こうしたプルーム性の大規模上昇流は,現在の地球でも発生しているかもしれない。こうした視点で,マントル・トモグラフィーのイメージを詳しく調べると,太平洋中央部やアフリカ大陸の下に,直径数千kmもの大規模な上昇流があり,スーパープルームの可能性が高い。
プルーム活動によって引き起こされる地球変動は 〝プルーム・テクトニクス〟 と呼ばれ,プレート・テクトニクスに継ぐ新しい地球変動原理として注目されている。
|