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地形[13] 可茂盆地
~平地の中の峡谷~

 
 
  
【豆知識】

美濃加茂市や可児市の市街地は,多少の起伏はみられるが,全体として周囲を山に囲まれて盆地状の地形をなす場所に広がっている.ここには正式な盆地名はつけられていないようであるが,とりあえず可茂盆地と呼んでおこう.ここでは木曽川と飛騨川が合流しており,合流点付近に今渡(いまわたり)ダムがあるため,それより上流側での両河川の状況はわかりにくくなっている.ダム直下の木曽川では,川幅はかなり広いが,その両岸には切り立った崖がつらなっており,ダムがなければ両河川ともに可茂盆地の中に峡谷を作って流れている状況が想像できる.木曽川の両岸につらなる崖には,おおよそ2000万年前頃にあたる新第三紀の中新世に形成された瑞浪層群が広く露出しており,この盆地は基本的にこれらの地層群に占められているといってよい.そこを木曽川と飛騨川が深く削りこみ,削り残した河岸段丘の上に両河川が運び込んだ土砂を薄く載せているにすぎない.この盆地も地質学的にみると高山盆地と同様に盆地ではなさそうであるが,詳しく触れないでおく.
木曽川と飛騨川にとっては,この可茂盆地において,長良川中流域のようにいったん平地に流れ出て,ここに土砂を途中下車させているように見えるが,実際には休むことなく日本ラインを経て濃尾平野まで一気に流れ下っている.それが広大な木曽川扇状地を形成している原因にもなっている.

【関連項目】 地形[1] 濃尾平野
地形[3] 東濃地方
地形[10] 長良川中流域
景勝地[7] 日本ライン

【キーワード】 可茂盆地,木曽川,木曽川扇状地,峡谷,日本ライン,飛騨川,瑞浪層群

【関連文献】
鹿野勘次 (1990) 美濃加茂周辺地域の第四系.岐阜県地学研究,26,11–24.

【余談】
木曽川は日本で5番目に大きい河川である.長さでは8番目であるが,河川の大きさは流域面積で決められるので,利根川,石狩川,信濃川,北上川に次ぐ河川となる.流域面積には飛騨川流域も含まれるので,かなりの部分を岐阜県下で占めている河川となる.やはりでかい川である.

『学習テーマ』
小学5年「流水による土地の変化―川の働き
小学6年「土地のつくりと変化 (地層) ―川の働き


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