スノーボール・アース仮説と顕生代の始まり

いまからおよそ7億年前の原生代後期に、地球表面全体が凍結するほど地球が冷え込んだとするスノーボール・アース仮説が最近注目されるようになっている。ここでは、まず原生代後期の氷河期問題の歴史的展開を述べ、スノーボール・アース仮説とはどういうものかを解説しよう。地球史的には原生代後期の最後の氷河期が終わると、突然多細胞動物の化石が多産するようになる。原生代後期の氷河期は生物進化にどのような影響を与えたのか。また、この時代にはなぜ地球の気候が著しく寒冷化したのか。その原因を考えるにはこの時代に起こったマントルの変動、すなわちロディニア超大陸の形成や分裂や、それを引き起こしたとされるスーパープルームの活動などの理解が不可欠である。