カーシュヴィンク: 海全体が凍結した

カーシュヴィンクの仮説ズーム
カーシュヴィンクの仮説
カリフォルニア工科大学のカーシュヴィンク(Joseph L. Kirschvink)は、原生代後期の氷河期では海洋全体が凍結するほど寒冷化したのではないかという仮説、すなわちスノーボール・アース仮説を唱えた。彼がもっとも重視した証拠は、縞状鉄鉱床の堆積である。もし、海洋前面に氷床が形成されて大気と海洋間の物質循環が遮断されたとしたら、深層海水は酸素不足になり二価鉄イオンが蓄えられるだろう。そして氷河期が終わって温暖化したら鉄は酸化されて縞状鉄鉱床を堆積させたにちがいない。彼の論文はたった2ページ足らずのメモのようなものであり、氷河堆積物を覆う炭酸塩岩の存在やそれらに刻まれた炭素同位体比の意味は論じられていない。